タルコフスキー
 

特別珍しくもありませんが、私は「影響を受けた芸術家」と「好きな芸術家」と「尊敬する芸術家」が必ずしも一致していません。それぞれ緩やかに重なり合っているような状態です。
しかし、「影響を受けていて、愛していて、尊敬している芸術家は」というと、やはり映画監督のアンドレイ・タルコフスキー(Andrei Tarkovsky,1932-1987)という事になりそうです。


失敗作といわれる(本人もどこかで「きらいだ」と語っていた)「惑星ソラリス」が個人的には人生の転換に深く関わっていたりしてかなり思い入れが強いのですが、最高傑作はやはり「ノスタルジア」だと思います。
そして、一番謎めいているのは、遺作の「サクリファイス」
例えば、私はタルコフスキーの作品のどのシーンも“不必要に長い”と思ったことが殆どありません。
しかし「サクリファイス」だけは、私には長く感じられる部分があります。時間の流れ方が従来と少し違うのです。
そしてあの色彩。
「ものの実在感を増す為に、自分は色彩を注意深く使用する」と本人は語っています。そしてサクリファイス以外の全カラー作品が、その言葉通りの色彩です。
なのに、何故「サクリファイス」だけは、ものから色彩が剥がれて見えるのか?
私は最初なにか別の原因があるのではないか、と思いました。しかし、土地特有の光彩のせいでも、カメラマンの好みのせいでも無いことは明らかです。(それまではロシア以外だろうが、カメラマンが誰だろうが『タルコフスキーの色彩』だったのですから。)
こういった事柄には、抽象概念で捉えられるにしろ捉えられないにしろ、必ず答えがあるものです。(ちなみにタルコフスキーは抽象概念で捉えられない内容を「イメージ」と呼び、抽象的な、死んだ概念で説明出来ちゃう内容〜つまり単なる“譬え”を「象徴」と呼んで対比して語ったリしてます。単語の使い方が普通とちょっとちがうんですよね。)
「鏡」は確かに難解です。しかし、「サクリファイス」と違って、謎めいてはいません。
実は、私はこういった謎は時代(と私)が追い付けば解るようになる、と思っています。それどころか、こうしてる間にも一刻一刻と、明らかになりつつある…と思うことすらあります。
こんにち、その意味が日に日に明らかになっていく作品はそんなにはありません。

ちなみに、タルコフスキーの作品にはルドルフ・シュタイナーの影響がある(というか場合によっては引用と言ってもいいかもしれない場合もある)のは彼の日記等で知っている人もいるかも知れません。私は作家ならヘルマンヘッセ、画家ならフランツ・マルク等々、好きな芸術家を調べてその精神を辿っていくと、ルドルフ・シュタイナーに行き着く事がかなり多いです。それに“ユング系”を足すと、音楽家を除けば好きな芸術家の半分以上になっちゃうかも知れません。

アクセス・ログを見ていると、このページに“タルコフスキー”の検索で来る方が多いような気がしますので、いくつかタルコフスキーの重要なリンクを貼っておきます。

まず、ノスタルジア・ドットコムっていうのがあります。が、英語です。
ここは各方面に許可をもらってタルコフスキー情報を紹介しているサイトだそうです。

で、このノスタルジア・ドットコムから引用/邦訳の許可を貰って、日本語に訳してらっしゃるサイトがあって、佐藤公俊さんのホームページです。貴重なインタビューなどが多々読む事が出来ます。


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