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電子持続音ライブ「元型ドローンVol.17」の会場にて、
ご来場の皆様への「手紙」ともいえる、
ハガキ大の紙をお配りしたのですが、
その下書きをここに公開いたします。
曖昧な薄明が続く。
そして時折、突発的な寸断が顕れる。
それがあまりにも巨大なせいで、私たちはそれを見渡すことができない。
私たちはその飛沫を、 人生における突発的な寸断のように体験する。
その突発的な寸断は、私たちすべてに、個別に顕れる。
それでいて、曖昧な薄明は続く。
人間らしさは、寸断されない側にある、ように見える。
そこに「ない」ように見えるものについて。
寸断によって目覚める。死の門が見える。
存在しない側に還る。この衰退を進む。
丁寧に降りる。或いは後ろ向きに登る。
毎瞬間、毎瞬間、 わずかばかりの永遠を噛み締めながら。
(C) Mushio Funazawa 2019